御文(おふみ) 3

それ、人間の浮生(ふしょう)なる相をつらつら観ずるにおおよそ

はかなきものはこの世の始中終(しちゅうじゅう)まぼろしのごと

くなる一期(いちご)なり

 

要旨  人は、浮き沈みしながら、定かではない暮らしを重ねていく。生ま

れてから亡くなるまで、何が起こるかわからない人の一生。

 

参考  浄土真宗は、阿弥陀さまが、安らかな心に導いてくださる宗派です。

それを信じることから始まります。

 けれど、元気な人は、自分は大丈夫、仏教には関係ないと、考える人

が多いでしょう。

 この御文では、今日とも知らず、明日ともしらず、人は病に倒れるこ

とがあり、朝に明るい元気な顔が、夕刻には命絶えることもある、と

続いています。

 長い人生で、特に高齢になったとき、自分の力で及ばぬ世の無常を知

ることが多い。思わず手を合わせる姿は、周りにも、よくあること。