御文(おふみ) 2
その位を一念発起入正定之衆(いちねんぼっきにゅしょうじょうし
じゅ)とも釈し、そのうへの称名念仏は、如来わが往生を定めたま
へし御恩報尽(ごおんほうじん)の念仏とこころうべきなり
あなかしこ
要旨 「感謝しておまかせします。」深くそう思う心があれば、その人の
位(くらい)を、正定(しょうじょう)と言います。
正定とは、悟りに向い進んでいる人たちです。
その後で唱える念仏は、如来さまが、浄土に約束してくれた、お礼
と考えましょう。
参考 お経を唱えるのは、お金や名誉がほしくて、阿弥陀さまにお願いす
るためではありません。浄土に導いてくださる感謝で唱えるのです。
親鸞聖人は、始めは、厳しい修行をしました。それでも、めざす目
的は叶えられませんでした。そして、救われたいと、厳しい努力を
しなくても、阿弥陀さまを信じれば、救ってくださる、浄土真宗を
広めたのです。終りにある「あなかしこ」は、今の「敬具」。