和讃(わさん)

弥陀成仏(みだじょうぶつ)のこのかたは

いまに十劫(じっこう)をへたまえり

法身(ほうしん)の光輪(こうりん)きはもなく

世(せ)の盲冥{もうみょう}をてらすなり

 

要旨  阿弥陀さまがさとりを開かれてから十劫という長い年月が経過して

いる。阿弥陀さまの光りが届かぬところはなく、煩悩の絶えない世

の中を明るく照らしてくれる。

参考  帰命無量で始まる正信偈(しょうしんげ)は、漢文形式で、手を合

わせて聞いているものの、わからない。親鸞聖人は、正信偈の後で

わかりやい言葉を使い、また、七五調のリズム感で聞ける和讃を書

きました。

十劫は、永い想像のできない年月を表す。それだけの年月を経ても、

法身(ほうしん・阿弥陀さまの教えていること)は、その光は永遠

無限であり、照らす範囲に限りが無いと述べています。