正信偈(しょうしんげ) 3

在世自在王佛所(ざいせじざいおうぶつしょ)

 

要旨  世自在王佛(せじざいおうぶつ)という仏さまが住んでいる所があ

りました。正信偈の四句目にあります。

参考  阿弥陀仏はすぐにいたわけではありません。まず、法蔵菩薩として

現れ、当時、他の仏とは比較にならない優れた世自在王佛の所で修

行します。仏さまは、たくさんいたけれど、世自在王佛は抜きんで

て優れた方でした。そこで修行しながら、宝蔵菩薩は、四十八の願

いをたてました。たとえば、第十八番目の願いを、蓮如上人の御文

では、末代無智・・・から始めて次のように述べています。

「一心一向に、仏助けたまへと申さん衆生をば、たとへ罪業は深重

なりとも、かならず弥陀如来はすくへましますべし。これすなはち

第十八の念仏往生の誓願の心なり」

どんな人でも苦しみや悲しみの世界から安らかな世界に導くという

願いでした。

世自在王佛が指示された厳しい修行が続きました。大海の水を升で

すくい、空っぽにするような厳しい修行です。その修行を成し遂げ

て、宝蔵菩薩は阿弥陀仏になりました。