阿弥陀さま {参考・わかりやすく示せば}
仏説観無量寿教
皆見日没(かいけんにちぼつ)
當起想念(とうきそうねん)
正座西向(しょうざさいこう)
要旨 皆、日没を見なさい。
思うことを始めるにあたっては
正しく座り、西の方を見なさい。
解説 ある王子がいた。父王の過去を知り幽閉。父王に食事を
運んだ母も幽閉。苦悶するその母が、夕陽と向かい合う
こと等で、心の安らぎに向かう。
私的なことだが、祖母は、夕焼けになると、忙しい仕事
でも休んで、西を向き、手を合わせていた。母もそうだ
った。私もまねをしてきた。今、私の孫たちもそうして
いる。
何故、西の夕焼けなのか。それを知るのも、お経を読む
大きな楽しみである。
和讃(わさん)
弥陀成仏(みだじょうぶつ)のこのかたは
いまに十劫(じっこう)をへたまえり
法身(ほうしん)の光輪(こうりん)きはもなく
世(せ)の盲冥{もうみょう}をてらすなり
要旨 阿弥陀さまがさとりを開かれてから十劫という長い年月が経過して
いる。阿弥陀さまの光りが届かぬところはなく、煩悩の絶えない世
の中を明るく照らしてくれる。
参考 帰命無量で始まる正信偈(しょうしんげ)は、漢文形式で、手を合
わせて聞いているものの、わからない。親鸞聖人は、正信偈の後で
わかりやい言葉を使い、また、七五調のリズム感で聞ける和讃を書
きました。
十劫は、永い想像のできない年月を表す。それだけの年月を経ても、
法身(ほうしん・阿弥陀さまの教えていること)は、その光は永遠
無限であり、照らす範囲に限りが無いと述べています。